健康保険証がマイナンバーカードと一体化!
病院やクリニックで、これからいったい何が変わる?

健康保険証がマイナンバーカードと一体化! <br>病院やクリニックで、これからいったい何が変わる?

2024年末から健康保険証が変わります。
これまで使われてきた健康保険証の発行が2024年12月2日で終了するので、期限が切れた後は、基本的にはマイナ保険証を使用することになります。
マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証の利用登録をおこない、保険証機能を持たせたものです。
あなたの病院やクリニックは、もうマイナ保険証への対応はお済みでしょうか?


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引用出典:デジタル庁「マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード(更新日2024年1月21日)」
https://www.digital.go.jp/resources/govdashboard/mynumber_penetration_rate/

マイナ保険証は、健康保険証の機能を持ったマイナンバーカード

紙の健康保険証の新規発行が廃止

健康保険証の廃止を定めたマイナンバー法が、2024年12月2日に施行されます。これによって従来の健康保険証の更新ができなくなります。法律の目的は、マイナンバーカードの健康保険証としての利用の促進です。このように、保険証としての利用をできるようにしたマイナンバーカードのことを、マイナ保険証と呼びます。なぜマイナ保険証への交換が必要とされたのでしょうか?

マイナンバーカードの保険証利用

健康保険証には保険番号が記されていて、私たちがクリニックを受診すると、その診療内容や報酬点数が番号と一緒に記録されます。しかしこれまでの健康保険証はデジタル化されていないために、情報の受け渡しにアナログな手作業が必要でした。デジタル化されたマイナ保険証であれば、事務処理が早くなって業務が効率化されます。しかし、いまだに紙の保険証を利用している方も多いようです。

マイナ保険証とは何か?

最近よく見聞きするようになったマイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせたもののことです。日本は国民皆保険なので、医療機関で受診するときにそれぞれの人が加入している組合の健康保険証を提示すると、医療費がたいへん安くなります。

この健康保険証には名前と住所と生年月日が書かれているので、身分証明書としても使われています。しかし健康保険証には顔写真がなく、紙でできていて偽造しやすいため、場合によっては身分証明書としては不十分であるとされることがあります。マイナンバーカードが健康保険証として使われるようになれば、その用途は大きく広がります。


https://www.digital.go.jp/policies/servicedesign/designsystem/Illustration_Icons/
提供:デジタル庁

マイナンバーカードは危険?

従来の健康保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化する法案に対して、以前は反対の声もありました。当初はマイナンバーカードのシステムに問題があり、マイナ保険証に他人の情報がひもづけられた事例などがあったからです。しかし現在ではそのようなトラブルもほぼなくなり、マイナ保険証の利便性に注目が集まっています。

マイナンバーカードと健康保険証の一体化のメリット

利用者側のメリット

マイナ保険証のメリットはどこにあるのでしょうか? マイナンバーカードと保険証が一体化すると、利用者はそれぞれを別々に携帯する必要がなくなります。また、薬局で処方された薬や既往歴についてもマイナンバーカードに記録することができるので、お薬手帳を持ち歩く必要もなくなります。クリニックの事務処理が早くなって、待ち時間も減少するでしょう。また、マイナ保険証が使えるクリニックで従来の保険証を使用した場合は、医療費が上乗せされてしまうので、マイナ保険証を使用したほうがお得です。

クリニックのメリット

クリニックの場合、従来の保険証がマイナ保険証に変わることで、情報のデジタル化が進み、受付や事務スタッフの業務が簡便化すると考えられます。これによって業務効率化が進めば、生産性が向上して、スタッフがより働きやすくなるでしょう。いずれは診察券もマイナンバーカードと一体化することができるので、ますます便利に使えるようになります。また、従来の保険証は顔写真がなかったために、他人がなりすまして使うこともできてしまっていたのですが、マイナ保険証は顔写真がついているので、そのようなトラブルも防ぐことができます。

マイナンバーカードと健康保険証の一体化のデメリット

利用者側のデメリット

もちろんデメリットがないわけではありません。当初は新しいマイナ保険証に慣れないため、かえって不便に感じることもあるでしょう。まだマイナンバーカードを持っていない人にとっては、そもそもカードの取得そのものが面倒に感じられるかもしれません。

また、紙の保険証の場合は保険番号などを視認できますが、マイナ保険証の場合は保険番号がデータ化されているため、カードが破損して情報が正しく読み取れない場合には、健康保険証としての利用ができなくなります。

さらに、マイナンバーカードや内部の電子証明書が有効期限切れの状態でも、健康保険証としての機能が失われます。有効期限や手続き状況、カードの状態に留意し、問題なく使えるよう注意が必要です。

クリニックのデメリット

マイナ保険証には専用機器の導入が必要であるため、クリニックにとっては新たな設備投資コストが必要になります。政府からの補助金の支援があるので金銭負担は抑えられますが、利用者が使い方を覚えるまではスタッフにも負担がかかるでしょう。当初は現行の保険証との併存になるため、一時的に業務が複雑になることも考えられます。

マイナ保険証導入にあたっての支援策

クリニックにはマイナンバーカードの対応設備の導入が求められる

クリニックがマイナ保険証を使用するメリットの一つが、情報と認証のデジタル化です。マイナ保険証は顔写真とパスワード認証によって、従来の保険証よりも利用者の本人確認が厳格にできるため、なりすましを防ぐことができます。しかし、そのためには顔認証機能付きのマイナンバーカードリーダーを、受付機械として導入する必要があります。

今ならマイナ保険証利用促進の支援金がある

現在、政府はクリニックなどにマイナ保険証利用促進のための支援をおこなっています。たとえば、2023年10月との比較で、マイナ保険証の利用率が上がっていれば、その増加量に応じた支援金が交付されます。利用率は社会保険診療報酬支払基金が自動的に計算するので、クリニックからの実績報告などは不要です。この支援金交付の目的は、クリニックがカードリーダーの操作に慣れない患者への説明などを積極的におこなうことで、マイナ保険証の利用を促進することです。

アルメックスのマイナタッチは政府からの支援金に対応

マイナ保険証はメディアによってさまざまな意見がありますが、政府は国民の利便性向上を目的に、マイナンバーカードの機能拡張を図っている途上であり、将来的な普及が見込まれています。
2026年には券面デザインを見直して安心感を高めた新型マイナンバーカードも発行される予定です。数年後には、マイナ保険証に対応していないクリニックや薬局を利用者が避けるようになることすら考えられますから、ぜひ早期の導入をおすすめします。


私たち株式会社アルメックスでは、クリニック向けのマイナ保険証設備として、オンライン資格確認対応顔認証付きカードリーダー「Sma-pa マイナタッチ」をご用意しています。「Sma-pa マイナタッチ」は日本医師会ORCA管理機構推奨の設備で、公費医療保険のOCRでの読み取りにも対応しています。
また、クリニックの初診受付機や再来受付機や自動精算機と連携して使用することもできます。また、マイナ保険証を、診察券や公費負担医療や地方単独医療費助成の受給者証として利用可能とするために必要なシステム改修については、別途政府からの費用補助がありますので、お問い合わせください。

<執筆者プロフィール>
・執筆者:内田浩樹
・所属:株式会社アルメックス 構造改革本部 企画部
・経歴:
株式会社アルメックスに新卒で入社、入社24年目。入社後の最初の3年間は営業部門で働き、その後新製品導入チームに異動し、10年間開発部門に在籍しました。その経験を通じて会計や会社の仕組みに興味を持ち、経営企画に転身し、7年間の経験を積みました。現在は、新しい取り組みやアルメックスのデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を担当する構造改革本部で、自社利用システムの導入と運用管理に携わっています。
・保有資格:
マーケティングビジネス実務検定B級、簿記2級、第2種電気工事士、普通自動車免許、防災士など

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