アルメックスの取り組み

お客さまとの関係を一層深め、
より付加価値の高い戦略的パートナーへ

取締役 常務執行役員 構造改革本部長 竹内 亘

取締役常務執行役員 構造改革本部長 竹内 亘

「リスクマネジメント」と「DX」で
安心・安全・快適なユーザー体験を提供

2015年に「技術構造改革本部」が立ち上がり、現在は「構造改革本部」となっていますが、どのような変化があったのでしょうか?

部署名が変わった理由は、私たちの部署の取り組み範囲が拡大されたためです。「技術構造改革本部」が立ち上がった当初は、アルメックスのビジネスの中でも上流と下流を技術的な面から見直して強くしていこうというのがメインの取り組みでした。

取締役 常務執行役員 構造改革本部長 竹内 亘

しかし、それに加えて会社全体のテーマや課題にも取り組み、必要な仕掛けを作り、アクションを起こすという、より広く、より会社の根幹に関わるミッションを担うことになり、部署名を「構造改革本部」へと変更しました。具体的に加わった取り組みの中でも、大きなものは2つ。「リスクマネジメント」と「デジタルトランスフォーメーション(DX)」です。

リスクマネジメントとは、どのような取り組みをされているのですか?

リスクマネジメントは、「ハッピー・ホテル」サービスを始めとしたウェブサービスやIoT機器による新たな事業を拡大していくにあたって、お客さまに安心してご利用いただくための基本です。ますます高まる不正アクセスなどの脅威に対し、情報セキュリティ対策をあらためて見直し、これまで以上に製品・サービスへのセキュリティの作りこみや監視強化を徹底し、一層のセキュリティ向上に努めるよう体制を見直してまいりました。具体的には、情報セキュリティ委員会や情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)分科会の取り組みを見直し、不正ログインの監視だけにとどまらず、各部署がどのような情報資産を持ち、情報を正しく取り扱えているかどうか、またそれらの管理に際してどのようなリスクがあり、どう対策するべきか、逐一状況を確認しフォローアップしています。こうした活動は、弊社が取得している情報セキュリティに関する国際標準規格「ISO27001」と品質に関する国際標準規格「ISO9001」にもとづいて行なっています。

情報セキュリティという部分でかなり力を入れられているのですね。

はい。さらに、いわゆる製品企画や開発プロセスというプロジェクトの初期段階で行うデザインレビュー判定会においても、情報セキュリティ対策がしっかり取られているかどうかをチェックしています。そして、製品がリリースされお客さまにお使いいただくようになってからも、定期的に内部監査を続けます。その上で、先程お話したISMS分科会による日常業務における情報セキュリティ管理のフォローアップという3段構えで取り組んでいます。

あらゆる情報がネットワークでつながる情報社会の現代において、情報セキュリティや個人情報保護の取り組みは、これからもその重要性が高まり続けます。私たちは、刻一刻と変化・進化する技術や社会に対応し続け、お客さまに安全と安心をきちんとお届けできる体制をより一層強化してまいります。

デジタル化と情報セキュリティを相互に強化しあい、新たな環境へ

DXの取り組みはどのようなことをされているのでしょうか?

もう一つの柱となるDXの一環として、「遠隔監視保守システム」という新たな仕組みの構築を進めています。同システムはその名の通り、リモートでメンテナンスをはじめとする作業やログデータの収集などを可能にします。これまでアルメックスで行っていたお客さまへのフィールドサービスは、連絡をいただいてから人を手配し、直接おうかがいするというアナログ的な対応がほとんどでした。しかし、それには人手も時間も必要です。人手については人海戦術で乗り越えてきましたが時間は限られており、時にはお客さまをお待たせしてしまうこともありました。こうした状況の改善を図るのが「遠隔監視保守システム」です。新型コロナウイルス感染症の拡大によって社会情勢が一変し、図らずもお客さまへのサービスの向上だけでなく、新しい社会への対応にも同時に取り組めるものとなりました。

取締役 常務執行役員 構造改革本部長 竹内 亘

現在、遠隔での保守関連業務をメインに、数千社に及ぶ当社のお客さまに対応を進めます。遠隔監視については、機器が正常に稼働しているかどうかの死活監視や、機器の異常の予兆を検知する予兆監視などを、24時間体制で実施することを目指して取り組みを進めています。

DXによってさまざまな業務効率化と新しい社会への対応が可能になるのですね。

DXというと、ビジネスの効率化という側面が大きく見られることもありますが、私たちはむしろお客さまとの接し方の改革を目指しています。遠隔監視保守も含め、DXでお客さまとオンラインでつながれるようになるということは、サービスのスピード向上とともに新たなコミュニケーションのカタチを生み出すものと考えています。たとえばお客さま毎のマイページを構築し、これを活用してお客さまがお使いの機器のメンテナンス情報や関連する新製品・サービスの情報を発信できる仕組みを開発中です。お客さまも、何かあればすぐに私たちと連絡を取ることができ、リモートで対処できる場合はその場で問題を解決することも可能になります。そうすることで、本当に現場にうかがって対処しなければならないケースに人手を割けるようになるため、オンラインとオフライン、どちらのケースでもスムーズな対応を実現することができるのです。いわゆる「Online Merges with Offline(OMO)」の考え方です。ネット上のオンラインの世界とリアルなオフラインの世界の垣根を取り払い、両方を併合することで、お客さまにとってより良いカタチでサービスを体験してもらうことができるのです。まだまだ、Merges(併合)というほどのところまではできていませんが、いま私たちが目指しているのは、そうした新たな体験の実現です。

取締役 常務執行役員 構造改革本部長 竹内 亘

リスクマネジメントとDX、2つの取り組みは深く関わりあっています。DXによって機器の遠隔操作やお客さまとオンラインでのコミュニケーションが活発になっていくことで、情報セキュリティのリスクが高まります。そうなった時には、さらに安全・安心な環境を構築する。どちらかが欠けた片手落ちの取り組みでは意味がないのです。リスクマネジメントもDXも、それ自体が目的ではありません。オンラインであってもお客さまとの密なコミュニケーションを可能とし、戦略的パートナーとしての付加価値を高める、私たちの構造改革の手段なのです。

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